【FP1級学科】問2(R5/9)

目次

被保険者の資格喪失後の保険給付

全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者の資格喪失後の保険給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。

  1. 資格を喪失した際に傷病手当金を受給している者は、傷病手当金の支給期間が資格喪失前の期間と通算して1年6カ月になるまで、傷病手当金を受給することができる。
  2. 資格を喪失した際に出産手当金を受給している者が、資格喪失後に配偶者が加入する健康保険の被扶養者となった場合、出産手当金を受給することができる期間内であっても、出産手当金は支給されない。
  3. 被保険者であった者が資格喪失の日から6カ月以内に出産をした場合、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金を受給することができる。
  4. 資格喪失後に傷病手当金を受給していた者が、当該傷病手当金を受給しなくなった日から3カ月以内に死亡し、その者により生計を維持されていた者が埋葬を行った場合、埋葬料が支給される。
【FP1級学科】問2(R5/9)

1. 傷病手当金について

資格を喪失した際に傷病手当金を受給している者は、傷病手当金の支給期間が資格喪失前の期間と通算して1年6カ月になるまで、傷病手当金を受給することができる。

肢1

適切

  • 概要: 傷病手当金は、被保険者が病気やけがで働けなくなった際に、収入の一部を補償するために支給されます。これにより、治療に専念するための経済的な支援が提供されます。
  • 資格喪失後の支給条件: 資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けている場合、資格喪失日の前日までに引き続き1年以上の被保険者期間があれば、通算で1年6カ月に達するまで傷病手当金を受給することができます。これは、被保険者が治療を継続し、回復に専念できるよう支援するための規定です。

2. 出産手当金について

資格を喪失した際に出産手当金を受給している者が、資格喪失後に配偶者が加入する健康保険の被扶養者となった場合、出産手当金を受給することができる期間内であっても、出産手当金は支給されない。

肢2

不適切

選択肢2で述べられている「資格を喪失した際に出産手当金を受給している者が、資格喪失後に配偶者が加入する健康保険の被扶養者となった場合、出産手当金は支給されない」という記述は、健康保険法の規定と照らし合わせると不正確です。実際には、被保険者が資格を喪失した後も、資格喪失日の前日までに引き続き1年以上の被保険者期間がある場合、出産前後合わせて原則98日の期間内であれば出産手当金を受給することが可能です。この給付は、その後被扶養者となるかどうかには影響されません。

出産手当金の基本的な理解:

  • 出産手当金は、出産による休業期間中に支給されるものです。これは、出産する女性が経済的な支援を受けられるようにするための制度です。
  • 資格を喪失しても、その時点までの被保険者期間が1年以上あれば、資格喪失前に出産手当金の受給資格を得ている場合、出産手当金はその後も受給できます。

選択肢2の誤り:

  • この記述が誤っているのは、出産手当金の受給権は資格喪失後も保持され、資格喪失日の前日までに1年以上の被保険者期間があれば、原則として98日間の出産手当金を受給できる点にあります。そのため、資格喪失後に配偶者の健康保険の被扶養者になるかどうかは、出産手当金の支給には影響しません。

結論:
したがって、選択肢2は健康保険法の規定に基づかない不適切な記述であり、出産手当金の受給資格やその条件に関する誤解を招くものです。資格喪失後も、適切な条件を満たしていれば、出産手当金の受給が可能です。

補足

資格喪失日の前日までに引き続き1年以上の被保険者期間がある場合とは?

「もし、あなたが健康保険の被保険者で、そしてその資格を失う直前の日までに、少なくとも1年間連続してその保険のもとで保険の利益を享受していたならば、という意味です。」

つまり、あなたが健康保険のカバーを受けている期間が途切れることなく1年以上続いていて、その後に何らかの理由(例えば、仕事を辞めるなど)でその健康保険の資格を失う日の前日まで、その状態が続いていた場合を指します。この条件を満たすと、特定の保険給付(例えば、傷病手当金や出産育児一時金など)を、資格喪失後も受け取ることができる特例があります。

まこと社長

もっとわかりやすくいうと
「会社を辞める前に1年間健康保険を払っていれば問題ない」
ですね!

3. 出産育児一時金について

被保険者であった者が資格喪失の日から6カ月以内に出産をした場合、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金を受給することができる。

肢3

適切

  • 概要: 出産育児一時金は、出産時の経済的負担を軽減するために支給される一時金です。これにより、出産に関連する費用の一部が補填されます。
  • 資格喪失後の支給条件: 資格喪失日の前日までに引き続き1年以上の被保険者期間がある者が、資格喪失日から6カ月以内に出産した場合(妊娠4カ月以上であることが条件)、所定の出産育児一時金を受給することができます。これは、資格を喪失した後でも、一定期間内に出産する場合には、経済的支援を提供するという健康保険法の規定に基づきます。

4. 埋葬料について

資格喪失後に傷病手当金を受給していた者が、当該傷病手当金を受給しなくなった日から3カ月以内に死亡し、その者により生計を維持されていた者が埋葬を行った場合、埋葬料が支給される。

肢4

適切

  • 概要: 埋葬料は、被保険者やその扶養家族が亡くなった際に、埋葬を行った者へ支給される給付です。これにより、埋葬に関連する費用の一部が補助されます。
  • 資格喪失後の支給条件: 資格喪失後に継続して傷病手当金や出産手当金の支給を受けている者、またはその支給を受けなくなってから3カ月以内に亡くなった場合、埋葬を行った者に対して埋葬料が支給されます。これは、被保険者が亡くなった際にその家族が直面する経済的負担を軽減するための措置です。

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