行政書士試験の憲法の問題の準備をする中で、実際にどれだけの判例知識が問われるのか感じたことを記事にしました。
特に、令和3年(2022年)に出会った問5は難しかったー!
問題の難しさ
当初、次のような問題文に直面しました。
地方公共団体がその土地を神社の敷地として無償で提供することの合憲性に関連して、最高裁判所判決で考慮要素とされたものの例として、妥当でないものはどれか。
この問題、どうですか?読めます?
私にはアラビア語にしか見えませんでした。
5000万回ぐらい読んで、ようやくわかりました。
考慮要素、考慮要素?考慮要素ってなんだー!
超簡単に言うと、
公の土地を神社に無料で使わせることが、憲法に反しないか
って感じじゃないですかね?
解答へのアプローチ
この問題を解くためには、次の2つの判例について詳しく知る必要があります。
1. 空知太神社訴訟
- 何を違憲として訴訟があって、結果何が合憲とされたかを理解することが重要。
2. 津地鎮祭訴訟
- この訴訟に関する知識も解答には不可欠です。
問題文を読むだけでは、孔子廟訴訟の知識があれば解答できそうに思えますが、残念ながらその訴訟は問題文には含まれていません。
学習過程
この問題を理解するまでには、冗談抜きで1年かかりました。
最初はどんなに解説を読んでも、文字面を追うだけで実質的な理解に至りませんでした。
しかし、最近になってようやく理解できるようになりました。
これも一つの成長です。
専門用語の補足
問題文に登場する専門用語についても少し触れておきます。
- 氏子集団: 地域社会の守護神あるいは産土神として祀られている氏神を、氏子である村人が共同で維持するために構成した組織。祭礼などを通じて、一つの集団としての団結強化をはかる上で大きな役割を果たしました。
憲法89条の解釈
日本国憲法第89条は、宗教活動への公金の使用を禁止する内容を定めています。具体的には次のように規定されています。
「何人も、宗教活動、宗教教育又は宗教的儀式のために、国の費用を支出し、又は国の施設を使用させることができない。同様の目的のため、公の機関がこれを行うことは、いかなる財団に対しても、いかなる私的な活動に対しても、認められない。」
日本国憲法89条
この条文は、宗教と国家の分離の原則を具体化したものであり、国や地方公共団体が宗教団体を直接的または間接的に支援することを禁じています。これには、宗教施設の建設や維持、宗教活動への資金提供などが含まれます。この規定により、公的資源が特定の宗教団体に利益をもたらす形で使用されることを防ぐことが目的とされています。
具体的な解き方
この問題を解くためには、日本国憲法の知識、特に憲法89条(宗教活動への公金支出の禁止)に関する理解、そして日本の最高裁判所がこの問題に関してどのような判断を下しているかについての理解が必要です。
判例を参照することは、この問題の解決に非常に役立ちます。
具体的には、以下のステップで問題を解くことができます。
- 憲法89条の理解: まず、日本国憲法の89条が何を禁じているのかを理解する必要があります。この条文は、宗教活動への公金支出を禁止しており、国または地方公共団体が宗教団体に対して直接的または間接的な経済的支援を行うことを禁じています。
- 判例の調査: 次に、最高裁判所がこの問題に関してどのような判決を下しているかを調べます。特に、地方公共団体が土地を神社の敷地として無償で提供することの合憲性についての判例があれば、その内容を確認します。最高裁判所の判決は、法の解釈において最も権威あるものとされるため、この問題に対する明確な答えを提供する可能性があります。
- 選択肢の分析: 各選択肢を憲法89条の原則と判例の内容に照らし合わせて分析します。選択肢の中には、憲法の原則や判例の解釈に直接関係するものもあれば、関係が薄いものもあります。この分析を通じて、最も妥当でない選択肢を特定します。
- 論理的思考の適用: 判例が直接的に参照できない場合でも、憲法89条の精神を理解し、それを選択肢に適用することで、合憲性に関する論理的な推論を行うことができます。宗教と国家の分離の原則、公共性の観点、文化財としての価値の考慮など、様々な角度から問題を考えることが重要です。
この問題を解くためには、基本的な憲法の知識に加えて、具体的な判例を調べることが理想的です。しかし、憲法の原則を正確に理解し、それを具体的な状況に適用する論理的思考能力も、問題を解く上で非常に重要です。
結論
詳細については、行政書士試験センターからの許可がないため、今回は詳しく触れることができません。
許可が下り次第、ブログを更新する予定です。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。