先に結論を書きます。 学習の負荷は、筋トレと同じように段階を踏んで上げていくのがいいと思っています。いきなり一番きつい方法に飛びつくと、続かなくなるか、一部の科目だけ鍛えて他がおろそかになるかのどちらかになりがちだからです。社会人受験生は使える時間が限られている分、まず全科目の基礎を固めてから、負荷を上げる科目を絞るのがいいと私は思っています。
ある受験生の方が、私のブログを読む時間がないので動画で読んでいます、と紹介してくれた回がありました。その日のブログのタイトルは「本試験まで59日 反復実践マニュアル」で、中身はLECの横溝先生が担当されている「56点アップ道場」という行政法講座の受け方についてでした。それを聞きながら、これは行政法講座の話に限らず、社会人受験生が学習の負荷をどう上げていくかという話だなと思ったので、今日はその話をします。
「56点アップ道場」は、行政法総論・地方自治法・行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法の5冊のレジュメで構成されていて、各回3時間、周を重ねるごとに理解度を上げながら繰り返し聞く講座です。この中で紹介されている「オープンクエスチョン」という勉強法が、筋トレでいうところのガチ勢の域だと感じたので、そこから話をしていきます。
一番きつい「オープンクエスチョン」は、筋トレでいうガチ勢

オープンクエスチョンというのは、たとえば「行政不服審査法9条から53条までの準用関係」というような見出しだけを掲げて、何も書いていない白紙に、審査請求と再審査請求のどちらに準用されるかされないかを、テキストを見ずに思い出しながら全部書いていくという勉強法です。再審査請求には審理員制度がないので準用されない条文が多い、といった細かい知識を、頼るものが何もない状態で紙に出していきます。
これを聞いて、筋トレでいうところの、ガチ勢のボディビルダーがやるような追い込み方に近いなと思いました。一番脳みその筋肉を使う方法で、間違いなく効果はあるのですが、かなりしんどい勉強法です。
横溝先生の方法にも「段階を踏むやり方」がある

この講座では、オープンクエスチョンほどきつくない、段階を踏んで覚えていくやり方も横溝先生が説明されています。いきなり白紙に全部書き出すのではなく、状況を分けながら少しずつ覚えていく方法です。
これも決して楽ではありません。結局は「鬼反復」と言えるくらい繰り返しが必要で、道場と呼ばれるだけあって手加減はされていません。ただ、オープンクエスチョン形式そのものに比べると、まだ比較的覚えやすいと感じます。
反復が必要なのは、記憶が最初は一時的にしか残らず、繰り返すことで少しずつ長期記憶に変わっていくからだそうです。いきなり一番負荷の高いやり方に挑むのではなく、段階を踏んで反復量を増やしていくというのは、筋トレで少しずつ重量を上げていくのと同じ発想だと思います。
行政法だけ鍛えて、他の科目が崩れた経験

ここから先は私自身の話です。私はこの講座を2回買っていて、1回目のときは行政法だけを7周しました。その結果、行政法の点数はそこそこ良かったのですが、憲法と民法がまったくダメで、結局その年は不合格になりました。行政法ばかり繰り返していた分、憲法の勉強時間が削られて、正解できるレベルまで戻せなかったのが原因です。
これは筋トレでいうと、一つの部位だけを毎日追い込んで、他の部位を放置しているのと同じ状態だったと思います。行政法に集中するのは悪いことではないのですが、憲法・民法もあわせてやらないと、バランスが崩れて本試験全体では苦戦します。
基礎ができていないなら、先に全科目のローラー作戦を

ある程度もう基礎が固まっている人であれば、行政法に絞って負荷を上げていっても問題ないと思います。ただ、基礎がまだ固まっていない人がいきなり一科目に集中してしまうと、他の科目の土台がないまま本試験を迎えることになります。
基礎がしっかりしていない人は、行政法だけのローラー作戦ではなく、全科目のローラー作戦をしてから、負荷を上げる科目を決めたほうが確実だと思います。点数が伸びる順番としても、そのほうが安全です。
勉強できる時間で、選ぶ作戦は変わる
1日5〜6時間勉強できる人であれば、全科目のローラー作戦をやったうえで負荷を上げていく時間は十分にあると思います。ただ、私のように1日1〜2時間しか勉強できない人が全科目を同じようにこなそうとすると、正直かなり厳しいです。
その場合は、あえて一科目に集中する作戦もありだと思っています。理想はやはり段階を踏んで全体の負荷を上げていくことですが、使える時間に応じて、どの科目にどれだけ負荷をかけるかを自分で調整する必要があると思います。
まとめ
- 学習の負荷は筋トレと同じで、段階を踏んで上げていくのがいい
- 「オープンクエスチョン」のように白紙に全部書き出す方法は、一番きついが一番効く
- 段階を踏むやり方も楽ではないが、比較的続けやすい
- 一科目だけを繰り返すと、他の科目が崩れて本試験全体で苦戦する(私自身の失敗談)
- 基礎が固まっていない人は、まず全科目のローラー作戦をしてから負荷を上げる科目を絞る
- 1日に使える勉強時間によって、選ぶべき作戦は変わる
よくある質問
Q. 「56点アップ道場」とはどんな講座ですか? A. LECの横溝先生が担当されている行政法の講座で、行政法総論・地方自治法・行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法の5冊のレジュメを繰り返し学習する内容だと動画で紹介されていました。
Q. オープンクエスチョンという勉強法は誰にでもおすすめですか? A. 私は、脳みその筋肉を一番使う一番きつい方法だと思っています。いきなりこれに挑むより、段階を踏むやり方から始めるほうが続けやすいと思います。
Q. 一科目に集中する勉強法はやめたほうがいいですか? A. 基礎がある程度固まっている人であれば問題ないと思います。ただ私自身は基礎が固まらないまま行政法だけを7周して、他の科目が崩れて不合格になった経験があるので、基礎ができていない人にはおすすめしません。
