行政手続法の定義、条文なしで言えますか|行政書士受験生の最低条件につまずいた私の話

夜、机でノートパソコンの質問リストに向き合う男性

行政手続法の「命令等」とは何か。法規命令・審査基準・処分基準・行政指導指針の4つを、まとめて言えなければいけません。私は動画の中で、これが出てきませんでした。

自分で「言えなかった。やばい。」と口に出したくらいです。行政手続法の「処分・申請・届出・行政指導・命令等」の定義を、条文を見ずに言えるか。難しい応用論点ではなく、行政書士受験生を名乗るための最低条件だと思います。

2025年8月、本試験まで75日の時期の話です。きっかけは、LECの横溝先生のブログです。Xでフォローし通知もオンにしていますが、来ても見ない日があります。それでは意味がないので、動画にして嫌でも自分に見せることにしました。

前日のブログのタイトルは「本試験まであと75日、あなたの本気度がわかる質問」。宣伝部分を飛ばして本題に入ると、行政書士受験生なら「すらすら答えられて当たり前」とされる質問が並んでいました。

目次

行政手続法の定義、条文を見ずに言えますか

スマートフォンの質問リストを見て驚く男性

ブログに書かれていた質問は、次のようなものでした。

  • 行政手続法における「処分・申請・届出・行政指導・命令等」の定義が、今何も見ずに言えるか
  • 行政手続法の適用対象(処分・行政指導・届出に関する手続・命令等を定める手続)が出てくるか
  • 地方公共団体の機関が行う場合に、行政手続法が適用されないのはどの手続きか

横溝先生のブログには、ここですらすら答えられなかったとしたら勉強していると言えるのか、という趣旨のことが書かれていました。正直、耳が痛かったです。

六法を開いたら、「処分」が出てきませんでした

規約の書を開いたまま、言葉が出てこない

言い訳せず、正直に書きます。私は六法を開いて条文を目で追いながら答えようとしましたが、詰まりました。

まず「処分」。条文の文言をそのまま探そうとして、なかなか出てきませんでした(定義は「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」です)。「申請」は、行政庁に利益を求め行政庁が応答すべきとされている行為、というところまではうろ覚えで出てきました。「届出」は、通知する行為で法令上その通知が義務づけられているもの、という定義は何とか出てきました。

いちばん詰まったのは「行政指導」と「命令等」です。行政指導は所掌事務の範囲内で一定の行政目的のために指導・勧告・助言その他の行為を求めるもの、で処分に該当しないもの、という定義自体は覚えていましたが、条文のどこにあるか一瞬迷いました。「命令等」は、法規命令・審査基準・処分基準・行政指導指針の4つがまとめて出てこなければいけないのに、動画の中では出てきませんでした。自分で「言えなかった。やばい。」と口に出したくらいです。

地方公共団体への適用除外は、語呂合わせで覚えていました

口上で覚えた所は、すぐに答えられる

一方で、地方公共団体の機関が行う場合の適用除外は即答できました。私は「ホーリーシット」という語呂合わせで覚えています。中身は、地方公共団体の機関がする処分と届出は、根拠が条例・規則に置かれているものだけが対象外(法令に根拠があれば行政手続法の対象)、行政指導と命令等を定める行為は、根拠を問わず対象外、というものです(行政手続法3条3項)。条文を目で追う必要がある定義よりも、語呂合わせにしてしまった部分のほうが、本番でも崩れにくいと感じました。

表にすると、こうなります。

地方公共団体の機関がする行為行政手続法
処分・届出(根拠が条例・規則)対象外
処分・届出(根拠が法令)対象
行政指導根拠を問わず対象外
命令等を定める行為根拠を問わず対象外

「主観訴訟に準用されない条文」で、条文番号を言い間違えかけました

似た条文を見比べて考え込む男性

後半は行政事件訴訟法です。訴訟類型(主観訴訟は抗告訴訟・当事者訴訟、客観訴訟は民衆訴訟・機関訴訟)、抗告訴訟の内訳(取消しの訴え・裁決の取消しの訴え・無効等確認の訴え・不作為の違法確認の訴え・義務付けの訴え・差止めの訴え)は迷わず言えました。「裁決に決定は含まれるか」「取消訴訟に裁決の取消訴訟は含まれるか」も、どちらも含まれると即答できました。

詰まったのは、「取消訴訟の規定で、主観訴訟に全く準用されていない条文」です。正解は10条1項(取消理由の制限)・14条(出訴期間)・31条(事情判決)・32条1項(取消判決の第三者効)の4つですが、私は一瞬、原告適格を定める9条と混同しかけました。六法で確認し、10条1項が正解だとその場で確かめています。あわせて原処分主義(10条2項)が、取消訴訟だけでなく無効等確認の訴えや不作為の違法確認の訴えにも準用されることも確認しました。

これが「行政書士受験生と名乗ってはいけない」の意味だと思います

厳しい言葉を、自分ごととして受け止める

横溝先生のブログには、これが言えないと行政書士受験生と名乗ってはいけない、というような趣旨のことが書かれていました。最初は強い言い方だと思いましたが、自分でやってみて納得しました。ここで聞かれているのは難しい応用論点ではなく、基本書の最初のほうに載っている定義と、条文の準用関係だけです。それすら本番前にすらすら出てこないなら、まだ「知っている」ではなく「見たことがある」の段階だと思います。

私はこの動画のあと、言えなかった「命令等」の4類型を覚え直すつもりで書き出しました。受験生の方も、自分で試して詰まった箇所があれば、それは今のうちに見つかってよかった箇所だと思います。本番の当日に初めて気づくより、ずっとましです。

この話を動画で見る

もとにした動画:「これができないと行政書士受験生と名乗ってはいけない」(YouTube・2025年8月26日)。

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