行政法、本試験は19問中14問でした|15問の壁を行政手続法の条文で越える

六法を開き、定規を当てて条文を読み込んでいる男性

先に結論を書きます。 行政書士試験の行政法で、私は本試験19問中14問ほどでした。「13〜14問は誰でも取れる、15問からが壁」と言われる、その壁の手前です。振り返ると、原因は条文の素読が足りなかったこと。特に行政手続法は条文をやり込めば取れる科目なので、今回はその骨組みを条文どおりに整理します。

私はガチの講師ではありません。なんとか合格して行政書士になった、元受験生です。勉強の合間の頭の整理くらいのつもりで読んでください。

目次

行政法は、得意ではありませんでした

はしごを前に、壁の上を見上げる男性

本試験の行政法は19問中14問ほど。結構落としています。

得意だったのは行政不服審査法で、模試の段階から3問中3問正解がよくありました。一方で、行政法の総論、行政手続法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法は、どれもそれほど取れていません。

LECの横溝先生が「行政法は13問か14問なら誰でも取れる。15問からが壁」とおっしゃっていて、私はまさに壁の手前、14問で止まっていました。

原因は、条文を繰り返し読み込む「条文素読」をやりきれなかったことだと思っています。行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法は素読をやりなさい、と聞いていました。でも私は行政手続法を3回くらいしか回していません。過去問もやりきれていなかったので、その先の素読まで進められなかった。

行政手続法は、本当に条文です。条文をしっかりやり込めば取れる。本試験でも、私は条文問題を落としています。

「申請に対する処分」と「不利益処分」は、どちらから動いたかで分かれます

窓口に書類を出す人と、役所から通知を受け取る人の対比

行政手続法は、大きく二つに分かれています。第2章が「申請に対する処分」、第3章が「不利益処分」です。

違いは、どちらから動いたかです。

  • 申請に対する処分=こちらからお願いしに行くもの。「許可をください」「免許をください」と申請するもの。
  • 不利益処分=役所のほうから名指しで来るもの。行政手続法2条4号は「行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分」と定めています。営業停止や許可の取消しがこれです。

ここに引っかけが一つあります。申請を断られたのは、不利益処分ではありません。 2条4号のただし書で、ロ「申請により求められた許認可等を拒否する処分」は不利益処分から除かれています。感覚では「断られたら不利益じゃないか」と思いますが、断られたときは第2章(申請に対する処分)の話です。

申請の3点セット、不利益処分の3点セット

二列に3枚ずつ並んだカードと、下の段をつなぐ糸

それぞれ三つずつ覚えます。

申請に対する処分(第2章)不利益処分(第3章)
基準審査基準(5条)=定めるものとする(法的義務)。行政上特別の支障があるときを除き、公にしておかなければならない(義務処分基準(12条1項)=定め、かつ、公にしておくよう努めなければならない(両方とも努力義務
期間/手続標準処理期間(6条)=定めるよう努める。ただし、定めたときは公にしておかなければならない(二段構え)聴聞・弁明の機会の付与(13条1項)=許認可等の取消し、資格や地位を直接はく奪する処分、役員の解任を命ずる処分などは聴聞。それ以外は弁明の機会の付与
理由の提示8条1項=拒否する処分をするときは、申請者に対し、同時に理由を示さなければならない14条1項=不利益処分をするときは、名あて人に対し、同時に理由を示さなければならない

ポイントは三つです。

  1. 基準は、審査基準と処分基準で重さが逆。 審査基準は義務、処分基準は努力。私はここを逆に覚えていた時期がありました。
  2. 期間(標準処理期間)が出てくるのは申請のほうだけ。 しかも作るのは努力義務で、作ったら公にするのは義務。
  3. 理由の提示だけは両方にある。 しかも「同時に」。後で聞かれたら答える、ではありません。

聴聞か弁明かは、ざっくり言うと「その人の資格や地位そのものが飛ぶかどうか」。飛ぶなら聴聞です。

(なお、8条1項と14条1項にはそれぞれただし書があり、13条には聴聞・弁明の手続を執らなくてよい場合も定められています。細部は条文で確認してください。)

私が落としたところと、確認の3問

答案の×印を見ながら、六法を開いて確かめる手元

こう書いておいてなんですが、私は行政法で落としています。令和6年度の記述は8点。行政法の記述は被告適格を間違え、しかも「併合的」と書いてしまい、おそらく0点でした。

受かった年も、本試験で正答率70%以上の問題を8問落としています。普段の模試では2〜3問だったのに、本番で8問。知らなかったというより、普段の実力を出し切れていなかった。過去問(ウォーク問)の周回が足りていなかったと、本当に思います。

最後に、今回の内容で確認です。

問1 審査基準を定めることは、努力義務?法的義務?法的義務。 5条1項「定めるものとする」。

問2 標準処理期間を定めることは、努力義務?法的義務?努力義務。 6条「定めるよう努める」。ただし、定めたら公にするのは義務。

問3 理由の提示は、申請を断るときと不利益処分をするときの両方で必要?両方で必要。 申請の拒否は8条1項、不利益処分は14条1項。どちらも「同時に」。

15問の壁というと遠くに見えますが、中身は「条文を見れば取れるところ」の積み重ねだと思っています。

まとめ

  • 私の本試験の行政法は19問中14問ほど。「15問からが壁」の手前だった
  • 原因は条文素読の不足。行政手続法は条文をやり込めば取れる
  • 申請に対する処分(第2章)は「こちらから」、不利益処分(第3章)は「役所から」。申請の拒否は不利益処分ではない(2条4号ロ)
  • 審査基準は義務、処分基準は努力。重さが逆
  • 標準処理期間は申請のほうだけ。作るのは努力、作ったら公にするのは義務
  • 理由の提示は両方に必要で、「同時に」(8条1項・14条1項)

よくある質問

Q. 申請が拒否されたとき、行政手続法の「不利益処分」の手続は使えますか? A. 申請により求められた許認可等を拒否する処分は、2条4号ロで不利益処分から除かれています。申請に対する処分(第2章)の話として考えます。

Q. 審査基準と処分基準は、どちらが義務でしたか? A. 審査基準は定めることも公にすることも義務(5条)、処分基準は定めることも公にすることも努力義務(12条1項)です。

Q. 行政手続法はどう勉強すればいいですか? A. 私は条文素読をやりきれずに15問の壁を越えられませんでした。過去問の下積みをしたうえで、条文を繰り返し読むのがいいと聞いています。

出典

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