憲法はなぜあるのか|アニメ「チ。」の異端審問に学ぶ、権力を止める仕組み

星空を見上げながら惑星の図を眺める男性

15世紀のポーランドでは、天動説を疑っただけで拷問にかけられ、火刑にされました。アニメ「チ。」が描く時代です。

権力を持つ側が暴走すると、人はただの主張で殺されてしまう。行政書士の勉強で教わる「憲法は権力の暴走を止めるためにある」という言葉が、このアニメを通してすごく腑に落ちました。

もとにした動画は、2025年の年明けに撮ったものです。皆さんは、「チ。」というアニメをご覧になったことはありますか。Netflixに入っていなくても、テレビ放送で見られる作品です。私はこれがすごく面白いなと思って見ていて、その話をします。

目次

「チ。」という作品と、15世紀ポーランドという舞台

夕暮れの中世ヨーロッパの町並みと教会の塔

「チ。」は、人類史上初めて地動説を提唱した人物を描いた物語です。舞台は15世紀のポーランドです。ウクライナの隣に位置していて、独自の言語であるポーランド語がある国です。日本人にはあまり馴染みのない国ですが、調べてみると意外と大きな国なんだなと感じました。

天動説を疑うと、拷問にかけられて殺された時代

ろうそくの灯りで、星の図を見つめる学者

作中の時代は、教会が司法を握っていました。裁判では異端審問という形で人が裁かれ、被告と呼ばれます。当時は、国民に思想の自由や表現の自由がありませんでした。教会が唱える天動説に背く者は悪魔の使いだとされ、拷問にかけられます。火刑にして遺体を残さないのは、審判の日が来ても、死体が残っていなければ復活できないから、という理屈だったそうです。たった500年前に、こうした時代があったことになります。

キリスト教が力を持つまで——暴走を止めるための布教

争いの時代のあとの、静かな古い町

歴史には詳しくないので、大まかな流れとして聞いてください。時代をさかのぼると、8世紀頃のヨーロッパは戦争ばかりだったそうです。敵の首を切り落として、その頭蓋骨でサッカーをしていたという話も、サッカーの起源の一つの説として紹介されていました。そうした野蛮な行為を見かねて、人間の暴走を食い止めるためにキリスト教の教えが必要だと説かれ、教えはまたたく間に広まっていきます。そしてキリスト教はやがて力を持つようになり、15世紀には異端審問という形で人を殺すほどの権力を持つに至った、という流れです。

500年前の非常識は、今の常識

夜空を望遠鏡でのぞむ、リラックスした様子の男性

今では、地動説はもう常識です。アメリカにはフラットアースを信じている人もいるらしいですが、それでも今は、YouTubeで地動説を発表しても殺されない時代です。作中で、異端者を「被告」と呼ぶ場面には、何も間違っていないのになぜ殺せるんだ、とついイライラしながら見てしまいました。15世紀の常識は、500年経てばこんなに非常識になる。だとすれば、今の常識も500年後には非常識になっているのかもしれない、と考えさせられるアニメでした。

憲法は「権力の暴走を止めるため」にある

暴れる力に、手綱をかける

行政書士の勉強で、憲法や行政法を並べて学んでいるときによく教わるのが、「憲法は、権力がある側の暴走を止めるためにある」ということです。行政法の勉強でも、行政は時々暴走するから、不服申立てや訴訟といった救済の制度がある、と教わります。「チ。」で15世紀の時代背景を知ったことで、こうした憲法の考え方が、私にはより理解しやすくなりました。今の日本は、いい時代なんだなと思います。

試験の得点に直結する知識ではないと思います。ただ、憲法がなぜあるのかを実感として理解する助けにはなりました。

この話を動画で見る

もとにした動画:「行政書士受験生必見!15世紀ポーランドを舞台にした衝撃アニメ「チ。」解説。現代憲法の大切さを知る。」(YouTube・2025年1月8日)。

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