先に結論を書きます。 行政書士試験の択一式・多肢選択式は、分からない問題に出会ったら深追いせず、いったん頭を切り替えて次の問題に進むことが大切です。私は15分を一つの目安にしています。全問正解を目指す必要はなく、どの問題で間違えるかを選び取る意識のほうが、結果的に得点につながると思っています。
2025年9月、本試験まで50日ほどの時期の話です。問題を解くときに意識しておくとよいことについて話します。模試を見返していて改めて感じたことと、あわせて一般知識で出そうだと思った話も付け加えます。
択一式は科目の中を行ったり来たりしながら解く

択一式は、1科目を頭から順番に解き切ろうとせず、科目の中を行ったり来たりしながら答えていくのがおすすめです。
例えば民法なら9問出されます。全部すらすら解ければいいのですが、そんなことは夢物語です。だから、分からない問題にぶつかったとき、そこにハマらないことがとても大切になります。
そもそも、9問全部を正解しなければならないわけではありません。少なくとも3問は間違えられます。大事なのは、その3問をどこで間違えるかです。分からない問題に当たったら、そこで頭を切り替えて、「解ける問題が他にある」という意識のもとで別の問題を解いていくほうが合理的です。
分からない問題に「ハマらない」ことが最重要

不合格だった方と話していると、よく聞く話があります。分からなかった問題が気になって、他の問題を考えている間もそのことが頭から離れなかった。あるいは、他の問題を解いている最中に、前に分からなかった問題が気になって、つい戻ってまた考えてしまった。そういう話を、少なくない人数の方から聞きます。
前の年(令和6年度)の試験は、特に多肢選択式でそれが顕著でした。15分でひとまず先に行く決断ができたかどうかで、明暗が分かれたように思います。ずるずると引きずってしまった人は、不合格でした。
私も昔、共通テストの数学で同じ沼にハマりました

かつて私自身も、同じことをやっていました。はるか昔に受けた、大学入試センター試験(今の大学共通テストにあたる試験)での話です。
数学のテストで、最初の問題がなぜか分からなくなり、そのままどんどん時間が経っていきました。気を取り直して他の問題を解けばよかったのに、なぜかその沼から抜け出せないまま終了時間になり、大失敗に終わりました。
それがどんな問題だったかは、今となっては覚えていません。でも、家に帰ってから改めて見たら、あっさり解けたことはよく覚えています。試験場独特の雰囲気に飲まれていたのだと思います。
分からなかった問題は、少し離れることで頭がリセットされ、再び見たときにひらめきが生まれることもあるかもしれません。だから、一旦頭を切り替えて、とにかく取れる問題を確実に取るという基本戦略を忘れないことが重要です。
模試を見返して、勉強不足を実感しました

ある模試で行政法を見返していたのですが、正直、そんなに苦戦する内容だったかなという印象でした。鬼のように難しい問題というより、正確な知識を身につけているかどうかを試す問題が多かったように感じます。行政法で苦戦した方は、そこは仕上げ直す価値があると思います。
「50日の過ごし方」というテーマで、別の講師の方も話していたのですが、その方も「択一はとにかく15分、15分」と時間をきっちり区切って、次に行ったほうがいいという話をされていました。私もそれはその通りだなと思い、そのようにしようと考えています。
私自身も、伊藤塾の行政法の模試を受けたのですが、思うように点が取れませんでした。取れる問題は確実に取らなければいけないので、おそらく勉強不足が原因です。間違えた問題の復習は一度終えていますが、また時間を置いてやり直そうと思っています。本試験まで、これの繰り返しです。
皆さんは、どこまで進んでいますでしょうか。
一般知識は「衆議院の解散」と「エコーチェンバー」が出そうです
「50日の過ごし方」を見て、選挙のことなどもあったので、一般知識で気にしたほうがいいのではと思う話を2つ調べてみました。
一つ目は、衆議院の解散です。過去の解散の理由を調べたところ、任期満了を迎えて総選挙になった例は、過去に1回しかないそうです。それ以外は、内閣不信任案の可決による解散か、憲法第7条にもとづく内閣の判断による解散がほとんどです。通称は、解散当時の争点や状況を反映しています。
| 通称 | 年 | 内閣 | きっかけ |
|---|---|---|---|
| バカヤロー解散 | 1953年 | 第4次吉田茂内閣 | 予算委員会での「バカヤロー」発言をきっかけに内閣不信任案が可決 |
| ハプニング解散 | 1980年 | 第2次大平内閣 | 与党議員の欠席で内閣不信任案が可決。大平首相は解散後に急逝 |
| 死んだふり解散 | 1986年 | 中曽根内閣 | 解散はないと言いつつ衆参同日選挙を狙って解散 |
| 宮沢内閣不信任解散 | 1993年 | 宮沢内閣 | 政治改革関連法案の提出の遅れなどを理由に不信任案が可決 |
| 郵政解散 | 2005年 | 小泉内閣 | 郵政民営化関連法案が参議院で否決され、賛否を問うため解散 |
| 近いうち解散 | 2012年 | 野田内閣 | 党首討論で解散を明言し、近いうちに解散した経緯から |
| アベノミクス解散 | 2014年 | 安倍内閣 | 消費税率引き上げの延期とアベノミクスの是非を問う |
| 国難突破解散 | 2017年 | 第3次安倍内閣 | 北朝鮮情勢や少子高齢化という国難を突破するためと説明 |
| 岸田内閣の解散 | 2021年 | 岸田内閣 | 就任間もない中で、新型コロナ対策などへの信任を問う |
| 任期満了(解散なし) | 1976年 | 三木内閣 | 解散せずに任期満了で総選挙になった、戦後で唯一の例 |
| 直近の解散 | 2024年 | 石破内閣 | 就任直後に解散 |
二つ目は、エコーチェンバーです。自分の好きな情報ばかりを拾ってしまうアルゴリズムのことですが、その周辺の用語も調べてみました。
- フィルターバブル: 検索エンジンやSNSのアルゴリズムが、閲覧履歴や興味関心に基づいて好みそうな情報を優先的に表示する仕組み。エコーチェンバーが利用者自身の能動的な選択によるものなのに対し、こちらはアルゴリズムによって自動的に引き起こされる点が違います
- サイバーカスケード: インターネット上で同じ意見を持つ人が集まり、影響を与え合うことで意見がより過激・先鋭化していく現象
- 集団極性化: 議論した結果、集団のメンバーが元々持っていた意見よりも、さらに極端な意見に偏っていく現象
- ドゥームスクロール: 悲観的な情報や刺激的なニュースばかりを見続けてしまう現象
- 確証バイアス: 自分の信念や仮説を支持する情報ばかりを探したり、重視したりする傾向。エコーチェンバーはこのバイアスを強める環境になります
- 同調圧力: 少数派になることを避け、多数派の意見に合わせてしまう心理的な圧力
- 社会的比較: 他者と自分を比較して、自分の能力や意見を評価する心理プロセス
対策として、多様な情報源に触れる、客観的な視点を持つ、ネットリテラシーを高める、アルゴリズムへの依存を減らす(検索履歴を消す、広告のパーソナライズ機能をオフにするなど)といったことが挙げられていましたが、ここは出題の優先度としては低いかなと感じています。むしろ用語のほうが出そうだと思い、調べてみました。お役に立てば幸いです。
まとめ
- 択一式は科目の中を行ったり来たりしながら解き、分からない問題にハマらないことが大切
- 民法9問なら、少なくとも3問は間違えられる。全問正解ではなく「どこで間違えるか」を意識する
- 分からない問題は15分を目安に見切りをつけ、次に進む
- 少し離れて頭をリセットすると、後でひらめくこともある
- 一般知識は「衆議院の解散」の通称・年・内閣と、「エコーチェンバー」まわりの用語が出そう
よくある質問
Q. 多肢選択式は何分で見切りをつければいいですか? A. 私は15分を目安にしています。ある講師も「択一は15分で時間を区切って、次に行ったほうがいい」と話していて、その通りだと思いました。
Q. 分からない問題にぶつかったらどうすればいいですか? A. そこにハマらず、いったん頭を切り替えるのがいいと思います。少し離れることで頭がリセットされ、再び見たときにひらめきが生まれることもあります。
Q. 民法は9問中、何問間違えても大丈夫ですか? A. 少なくとも3問は間違えられます。全問正解を目指すのではなく、どの3問で間違えるかを意識するほうが合理的です。
