宅建「あと1点」が埋まらない人へ|36点を2年連続で取った受験生への処方箋

夜、机で赤ペンを手に問題集に向かう男性

先に結論を書きます。 「あと1点」を来年も繰り返さないために必要なのは、気合ではなく「どこで何点落としたか」を分解することです。宅建業法の失点はケアレスミスの可能性が高いので周辺知識まで暗記を固めること、権利関係は14問中11点を目指すこと、そして忘れることを前提に勉強のピークを10月の本試験に合わせて逆算すること——今回紹介する合格者たちのアドバイスに共通していたのは、この3点でした。

2024年12月の前回の動画で、宅建を36点で2年連続取り、あと1点足りないという視聴者の方のコメントを紹介しました。「合格者の皆さん、この方にアドバイスしてあげてください」と呼びかけたところ5件の返信が来たので、今回はそれを紹介しながら私の考えも合わせてお話しします。

目次

まず「どこで何点落としたか」を分解する

ホワイトボードに得点の内訳を図で整理する男性

最初のコメントは「あと1点はもう少しではありません。その考えだと来年も落ちます」でした。正直、これだけでは具体的な対策までは示せず、少し残念に感じました。

合格者のAさんは令和6年に独学で37点合格。通信講座で200時間費やしたものの身につかず、最終的に宮崎塾がはまって滑り込み合格したそうです。ご本人いわく「対策も戦略もなくたまたま合格ラインだった。一か八かのギャンブルは勧めない。自分の得点傾向を客観的に分析し、40点以上コンスタントに取れる戦略を立てて実行すべき」とのことでした。

長文をくれたBさんも、合格者の標準的な得点より低い分野を責めるのが良い、宅建業法でのケアレスミスは致命的になりやすいので周辺知識まで暗記を完璧に、と指摘しています。私も同じ考えです。何が苦手で何が足りていないのかを具体的に教えてもらえないと、処方箋の出しようがないんですよね。

複数回受験の最大の敵は「忘れること」

カレンダーに本試験の日へ向けて旗を立てる男性

Bさんのコメントは続きます。1日10分程度でもいいので宅建業法・法令上の制限・その他分野の復習を行い、忘れないよう努めること。特に2回目以降で怖いのは、7月から9月に全力で勉強してやる内容がなくなり、飽きが生じてお盆の時期についサボってしまうこと。積み上げたことを忘れてしまうので、勉強のピークを10月の本試験に設定し、逆算してスケジュールを組むべきだと書いてくれました。

Cさんのコメントもこの点に重なります。大事なのは勉強時間ではなく進捗で、どこまで進んだかを意識しなければ進歩しない。「あとちょっと足りない」は「全然足りていない」とほぼ同義で、今年36点だった受験生は数万人おり、その中から抜け出さなければならない。人間は日々忘れる生き物なので、複数回受験生ほど基礎の復習を疎かにして細かい部分を忘れがちで、だからこそ初学者向けの薄いテキストを完璧に仕上げるべきだ、とのことでした。

権利関係は14問中11点を目指す

二冊の教材を見比べながら要点を線でつなぐ男性

ここは私自身の考えです。行政書士を目指しているのであれば、宅建の権利関係は14問中11問、つまり11点は絶対に取りましょう。権利関係さえ取れれば、宅建業法も法令上の制限も免除の部分も過去問と暗記でどうにでもなります。逆に権利関係が勉強不足だと、宅建は受かりにくくなります。

具体的には、賃貸借と借地借家法は図を見比べながら覚えると混乱せずに済み、過去問と暗記でどうにかなります。不動産登記法と区分所有法も、無理に深く勉強するより過去問でカバーする方法がいいと思います。それ以外の物権・債権・家族法の9問は、時間をかけて行政書士試験の民法を勉強することで力がつきます。行政書士の民法にはパンデクテン方式(最初に習った総則が後の分野にも形を変えて出てくる仕組み)特有の混乱があるので、期間を長めにとって理解する必要があります。Cランクの論点は宅建では出ない確率が高く、やらなくていいと思います。

「100時間で合格」の中身——私自身の実体験

学習時間を記録するアプリと問題集を前にした男性

Dさんから「100時間は、知識を100%覚えての100時間か、ある程度忘れていての100時間か前提が分からない」とのコメントをいただきました。私は宅建の複数回受験生で、2022年は35点、1点差で不合格でした。その後、行政書士の勉強も並行して進め、2023年は行政書士に800時間、宅建に100時間かけて、宅建の方だけ合格しました(行政書士は不合格)。スタディプラスというアプリで記録していたので覚えている数字です。行政書士の民法の時間は行政書士側に計上しているので、宅建だけで見れば実際はもう少し長いはずです。

使った教材はLECのテキストと問題集、30年分の過去問がついた市販模試です。どれも40点前後で得点できていて、本試験では41点取れました。それが根拠です。なおEさんからは「過去問(平成〜令和5年分)をダウンロードしてそれだけやれば受かる」というコメントもいただきましたが、私はこのやり方は推奨しません。年度別過去問にはCランクの問題も混じり、約40年分となると時間がかかりすぎて効率が悪いです。問題を解き、解説を読み、テキストも確認する、というぐるぐる回すやり方の方が力がつくと思います。

まとめ

  • あと1点足りない、を来年も繰り返さないために、まず「どこで何点落としたか」を分解する
  • 宅建業法の失点はケアレスミスの可能性が高い。周辺知識まで答えられるよう暗記を完璧にする
  • 権利関係は14問中11点を目指す。賃貸借と借地借家法は比較して覚え、Cランクの論点は切ってよい
  • 複数回受験の敵は「忘れること」。1日10分でも復習を続け、勉強のピークを10月の本試験に合わせて逆算する
  • 私自身は宅建に100時間、行政書士に800時間かけて、宅建だけ合格。LECの教材と市販模試で40点前後を維持し、本試験で41点
  • 年度別過去問を大量にこなすより、問題→解説→テキストを回すやり方の方が効率がいい

よくある質問

Q. 宅建で「あと1点」が続くとき、まず何をすればいいですか? A. 何時間勉強したかではなく、どの分野で何点落としたかを分解することです。宅建業法での失点はケアレスミスの可能性が高いので、周辺知識まで暗記を固めることが先決だと思います。

Q. 複数回受験だと、なぜ「忘れること」が一番の敵になるのですか? A. 7月から9月にかけて集中して勉強すると、やることがなくなって気が緩み、お盆の時期についサボってしまいがちだからです。それまで覚えたことを忘れてしまうので、勉強のピークを10月の本試験本番に合わせて逆算するスケジュールが必要だと思います。

Q. 権利関係にどれくらい時間をかければいいですか? A. 私は、行政書士を目指しているなら14問中11点を目指すべきだと思っています。権利関係さえ取れれば、宅建業法や法令上の制限は過去問と暗記でどうにでもなります。

出典

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