宅建に受かったら、次は行政書士?|宅建の感覚のまま始めると痛い目にあう4つの違い

軽い剣と重い大武器を見比べる歴戦の助っ人

2022年、私は宅建と行政書士を同じ年に受けるつもりで、4月に勉強を始めました。

7月に宅建の模試を解くと、30点に届きません。このままでは宅建も危ないと思い、行政書士の勉強を打ち切って宅建に全部の時間を回しました。結果は、宅建も行政書士も不合格でした。

宅建に受かった人や、受かりそうな人の中には、次は行政書士と考えている人も多いと思います。宅建に合格してから行政書士に受かるまで、私が感じた違いと、ダブル受験で失敗したことを書きます。

目次

宅建と行政書士は、同じ「法律の試験」でも別物

分厚い秘伝書を抱える猫の相棒と、薄い冊子

いちばん重なるのは民法ですが、それでも勉強のしかたが違います。

宅建行政書士
試験2時間・50問・4択3時間・60問・5択。記述式・多肢選択式・基礎知識もある
試験日10月の第3日曜日11月の第2日曜日
民法「権利関係」として論点ごとに出る総則・物権・債権・親族・相続と、体系で積み上げる
六法ほとんど引かない条文を引くことが勉強の中心になる
問題文短めの問題が多い長い文章と、組み合わせ問題が多い

宅建業法や建築基準法は、行政書士試験にはまず出ません。都市計画法が行政法と少し接する程度です。宅建で「聴聞」という言葉を見ていても、それで行政法の理解が深まるわけではありませんでした。

宅建の感覚のまま始めると、痛い目にあう

行政書士の民法で一番気をつけたいのは、宅建で見たことのある論点に安心して、浅く答えてしまうことです。「これは宅建でやった」と思って選んだ肢が、行政書士の問題では違っている。そういうことが実際にあります。

行政書士試験で問われるのは、条文と理由づけで説明できるかどうかです。始めるときに、次の4つを意識すると入りやすいと思います。

  1. 民法の全体の地図を先に持つ。総則・物権・債権・親族・相続という並び(パンデクテン方式)を頭に入れてから、論点をその中に置いていく
  2. 六法で条文を引く。暗記だけでなく、その条文が何を守るためのルールかまで考える
  3. 判例は結論だけでなく、事案・争点・判断の枠組み・結論の順に読む
  4. 長い問題文に早めに慣れる。長い文の中から条件を抜き出す力が、そのまま点になります

「暗記はだめ、理解が大事」とよく言われますが、私はどちらも大事だと思っています。覚えると分かるようになり、分かると覚えやすくなります。

ダブル受験するなら、最初に優先順位を決める

2つの依頼のうち、先に受ける1枚を決める

私の2年は、こうでした。

年始めた時期7月の宅建の模試宅建行政書士
2022年4月30点に届かず、宅建に全振り35点で不合格(合格点36点)ほとんど勉強できず不合格
2023年4月35〜36点。宅建は模試中心にした41点で合格(合格点36点)記述抜き130点台で不合格

2023年の宅建は、勉強時間が100時間ほどでも楽に受かりました。何年も同じ範囲をくり返していたので、ある時から4つの選択肢を見ただけで答えが分かるようになっていたのだと思います。

2年やってみて、4月から両方を並べて始める、というやり方はうまくいかないと感じました。両方に同じ熱量を注ぐのは現実的ではありません。

  1. 先に受かりたいのはどちらかを決める。不動産の仕事をしているなら宅建、行政書士として開業したいなら行政書士を先に
  2. 1年で勉強に使える時間を見積もる。1,000時間ほどで、法律の勉強が初めてなら、ダブル受験はかなり厳しいと思います。1,500時間ほど取れるなら、計画しだいで狙えます
  3. 両方受けるなら、宅建は7月までに「受かる」と言える状態に近づける
  4. 宅建の試験から行政書士の試験までの約3週間は、行政書士だけに使う。行政書士は8月・9月・10月にどれだけ詰め込めるかの試験です

宅建と行政書士を同時に受けると言うと、「やめておけ」と言われることもあると思います。足を引っ張るだけの声は気にしなくていいです。そのかわり、優先順位と時間だけは最初に決めてください。

この話を動画で見る

もとにした動画:「宅建合格後のステップアップとして行政書士試験の勉強を始める際に気にすること」(YouTube・2025年12月30日)と「宅建と行政書士試験をダブル受験するときに意識すべきこと」(YouTube・2025年12月29日)。どちらも行政書士試験に合格する前(2025年12月)に撮った回です。

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